日本東西の深い溝とヒスイ [旅の話]
糸魚川への旅、フォッサマグナ編。というか、フォッサマグナという文字面を知ったのが私、結構近年であったりします。
耳に、目にしていても意識的に喚起出来る、つまり『記憶』出来ていなければ知っていた事にはならんでしょう。きっと学生時代に地理の授業でやっていたはずなのにね。
なんかこう、字面がさ、カッコよくない??
発音するのも楽しいんだよこの、フォッサマグナって。さすがラテン語。
発音するのも楽しいんだよこの、フォッサマグナって。さすがラテン語。
ゲーム脳(ゲームが大好きな人の脳という意味で)でなぜかマグナカルタが連鎖で出てくるんですが、あれもラテン語なんでしょうかね?マグナカルタ未プレイなのでよくわかりませんが(←)
意識的にはっきりこのフォッサマグナを覚えるきっかけはおそらく、ツイッターランドで流れてきた地震についての誰かのつぶやきだったと思います。
あるいは、何かと何かを隔てる深い溝の事を『フォッサマグナ』と表現する事自体は認知していて、具体的にそれが日本に存在する『地理』である事を再認識したのが某ツイッターだったのだろうと思います。
大地震は、フォッサマグナの影響で西日本へ伝わらずにある程度止まる。
糸魚川からの帰路にもまた、東北太平洋側を震源とする津波1メートルが発生した余震(だよね?)がありました。
この地震も、フォッサマグナの向こう側に当たる西日本には伝播せず、みごとに揺れがそこで止まっているのが速報値でもよくわかる。
この地震も、フォッサマグナの向こう側に当たる西日本には伝播せず、みごとに揺れがそこで止まっているのが速報値でもよくわかる。
何故そんなことになるのか。
ざっくりとは知っている。ようするに、そこから西と東で地層が異なる、あるいは分断されているのだ……と。
しかしこのざっくりはちょっと間違っていた。やっぱりちゃんと学んでみないとダメですな。
あとヒスイ。ヒスイがどのように生成されてどこで産出されるのか、割とわかってなかったので大変勉強になった。
昔、はるか昔に三陸海岸で何らかの鉱物を拾えるよ、という話を強烈に覚えていて、それはヒスイだと思い込んでいた所があったんだけどフォッサマグナミュージアムに行って理解した。ありえない。そこには無い。じゃぁ……なんだったんだろう?
今おうちに帰って来てこのブログを書くにあたり改めて、いったい何を拾う話をヒスイと勘違いしていたのか徹底的に調べてみた。
分かった、コハクだ。……鉱物じゃないやん。久慈浜の琥珀を覚えていたんだ。
……って事はわし、子供の頃久慈まで行った事あるんだな……。細倉マインパークを経由して太平洋側に抜けた長旅の途中だった事は覚えているので、その時細川から久慈に抜けたんだな……一度自分でマインパークに行ってきたから納得した。そういう事か……。
子供の頃に家族ぐるみで大旅行したときがあるんですが、その時ですね。
ちなみに細倉マインパーク……というか竜泉洞にはいままで4度も行った事がある事になります。子供の頃に3回。大人になってから自分の車で一回。
わかるでしょ、どんだけ鉱物とか恐竜の骨とか大好きだったかが……。家の人も好きだったし我の家族みんな押し恐竜が居たんだよ。
わかるでしょ、どんだけ鉱物とか恐竜の骨とか大好きだったかが……。家の人も好きだったし我の家族みんな押し恐竜が居たんだよ。
ちなみにわし、スティラコザウルスな。(多分マイナー)(見事に創作に影響したからね、ドラゴン描くときスティラコ風なツノツノいっぱいのドラゴン描くの大好きだったからね)
もう何度でも行っても良い所ですね、龍泉洞。
そうか、そのまま久慈に抜ければ琥珀拾いが出来るんだ……
これは、新型某が終息したら興味ある人誘い立ってもう一度行きたいですねぇ……。
そうか、そのまま久慈に抜ければ琥珀拾いが出来るんだ……
これは、新型某が終息したら興味ある人誘い立ってもう一度行きたいですねぇ……。
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話が脱線しましたが、ヒスイって鉱物は固い。重い。コランダムとどう違うのか?どっちも硬玉……だよな。
そんな疑問にも答えてくれるよフォッサマグナミュージアム。
そんな疑問にも答えてくれるよフォッサマグナミュージアム。
コランダム(ルビーとかサファイアとか含む)の方が硬い。
ジュード(ひすい)はその次に硬い。
ジュード(ひすい)はその次に硬い。
コランダムは酸化アルミニウム結晶(Al2O3) 鋼玉
ヒスイはイノ珪酸塩鉱物で Na輝石(NaAlSi2O)
広域にヒスイに含まれていることがあって要注意な軟玉はネフライトとして区別し同じくイノ珪酸塩鉱物ながら
Ca角閃石(Ca2(Mg,Fe)5Si8O22(OH)2)
このな、軟玉も落ちてるんですよ糸魚川海岸線……。
大陸の方では軟玉もヒスイに含み、本ひすいは別に区別するらしい。
大陸の方では軟玉もヒスイに含み、本ひすいは別に区別するらしい。
糸魚川ではコランダムも出るらしい。
いずれも、こういう鉱物の多くは地中深く、地球を覆うプレートがマントルに沈み込むような奥深くで形成される。それが、蛇紋岩が上に押し上げられる作用の時に巻き込まれる形で地上に出てくる。比重が重いので沈み込んでいくはずのこれらの鉱石が、地上に出てきてくれるのは蛇紋岩サマサマであるらしい。
そんな蛇紋岩サンは比較的脆いので、これが多い地区では地滑り注意であるらしい。岩手県も蛇紋岩が多いようで、多分その都合コランダムが取れるのだな……どういう生成なのかちょっと不勉強なのでぶっちゃけもっかいあのあたりの博物館行きたい。蛇紋岩は岩手県の『県の石』らしい。
また、ヒスイに緑色が多いのはこの蛇紋岩の所為であるようだ。蛇紋岩に接したヒスイは緑の色が濃い。本来ヒスイは白色結晶だという。
なので、他の鉱物の影響で色が変わるので緑色のほかに紫やピンク、オレンジなどもあるのだそうだ。糸魚川では紫もある。
ヒスイは重く、そして硬い。粘度があるのでハンマーでたたき割る作業で言うとダイヤモンドよりも砕けにくい。そういう都合、宝石みたいなカッティングよりも研磨による丸みを帯びたデザインの『玉』が多いのかもしれない。
重いので、海岸で拾う時は波打ち際で探すべきであるという。もちろん、川を下って山からくるものであるから川にもヒスイはあるし、立派な原石がゴロゴロしているらしいのだが、川から拾う事は今ご法度になっております。川から拾う事を許してしまうと、巨岩の『ひすい原石』を破壊する連中が現れるからでしょう。ひすい峡と呼ばれる川の上流には、ヒスイの巨大なかたまりがゴロンゴロンしているらしいのだ。見たい……しかし、3月まではまだそのヒスイ峡は開いてなく冬季休業だったので完全にリベンジ案件です。
実際、フォッサマグナミュージアムのいたるところにその巨大なヒスイがゴロンゴロンしている。盗掘されそうだから保護したものが多いようだ。
ちなみに、琥珀は軽いのでゴミだまりから探すそうです。
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日本のヒスイ一大産地である糸魚川、なぜヒスイを含んだ蛇紋岩は主にあの近辺でしか露出していないのか。
それは、ナウマン象の名付け親でもあるナウマン博士が発見した、日本にある地形的な深い溝、フォッサマグナの所為だ。
はるか昔大陸側の一部であった日本列島は、大陸移動ではがれていく最中、実は西と東に見事に真っ二つに割れていたんですね。割れたまま、大陸からはがれてその間は『日本海』が形成されていく。
東北を含む北は『北アメリカプレート』に、富山から南は『ユーラシアプレート』四国の沖には南海トラフがある通り、そこには『フィリピン海プレート』があり、太平洋側には『太平洋プレート』がある。
ヤバイよね日本は。みごとにプレート入り乱れですよ。
んで、北アメリカプレートとユーラシアプレートによって割れていた日本列島であったがほかのプレートとの影響によりぶつかって、火山活動が活発になった。
そうして割れたままの二つの日本大陸の間、すなわち『フォッサマグナ』に、マグマが噴き出し多くの山が生まれる。
富士山しかり、八ヶ岳を含むあのあたりの高い山々が、かつて大陸からはがれた古い『地層』とは別に全く新しく隆起し、マグマが流れ粉塵が降り注ぎ、次第にフォッサマグナはこれらによって埋め立てられて別れていた日本大陸がくっつくことになった。
東北地方の、特に日本海側は古い大陸の古い地層のまま。新潟新発田から始まるあの平野はすでに『フォッサマグナ』だったワケだ。
で、なんで『新しい』地層なのにヒスイが取れるのかっていうと、深いプレートから蛇紋岩サンが剥がしたヒスイなどの鉱物が含まれる地層が、火山活動によって隆起してきたからなんですね……なるほど。
そしてその活動が活発で、様々な鉱物を地上に噴き出した山々が、フォッサマグナの西端に連なっている。そして糸魚川から山の奥の方、川による浸食によりあらわになって、時に川に流れて海にやってくるというわけだ。
本当にいろんな石が落ちていて、別にヒスイ拾いしなくっても私は多種多様な石を見るだけでも結構楽しかったです。
軟玉は結構落ちてましたね……軟玉の前知識があったので、これヒスイっぺぇけどきっと軟玉……という感じでポイポイ投げる。でも軟玉も結構キレイだし、削れば大陸では『玉』だったわけだから、もったいない気もしてきた。
絶対また行く。絶対だ!!
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