K-20 …観て来たんですわ [最近見た漫画か動画]
なんとしても時間が取れなくて、無理してひねり出してみた!
まぁ、一応『それなら』早引きしてもいーよと許可は下りていたものの…そんな事ぁしねぇと言っていたにもかかわらず使ってしまいました奥の手。
映画観覧です。なかなか出歩けなくなってしまったお婆さんとのデェトの約束ッ
ABK殿からこっそりオススメされていた、怪人20面相伝です。
極力ネタばれはしない方向で…というか、カンのいい人とか乱歩先生の作品が好きな人はなんとなくわかるんじゃないかというオチじゃないかなと。
作品についての感想は下でガッチリやるとしてまず、おばーさまデートの内容をドゾ(笑)
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ばっちりシニア料金のうちのばーさまの映画チョイスは際どい。
おもしぇけの(庄内弁 おもしろかったね の意)の一言を引き出すのたタイヘン。
お世辞なんて言いません。面白くなかったら面白くないっていうし、まぁそこまでじゃなくても…「わけわがんねけの(あんまり話がわからなかったね)」と言われたらアウツッ!
辛口な人じゃないんだけど、ウソは言わないお人です。嘘つくほどならダンマリされる方。
でもなんだかんだいって映画を見に行くという事自体は楽しいようです。
どっか連れだすにしても、あまり長い距離歩かせたり出来ない状態なので…こういう娯楽に限られる。
しかしシェブロン県庄内地方には映画館は一つしかない。イオン様内蔵のイオンシネマさんだ。
昔は酒田に二つ(庄内・酒田を舞台にした映画、 おくりびと にも出てきたあの映画館ですw)鶴岡にも…ええと、私は一か所にしか行った事ないけどあそこだけか?とにかく他にもあったんですが…イオンシネマに客が取られてどっちも閉めちゃったのだ。
イオンシネマ…広くて綺麗でそりゃいーんだけど。駐車場から遠いのが(そもイオンモールそもそもが広すぎて困る)難点。
毎度ばーさんデートをネタに書くたびに言いますが、CO2削減で屋上駐車場を閉鎖するのはいいけど、足腰不自由な人にはそこが最短コースなんだ。頼むからその人向けに開放してくれないものか。
多くの人が歩くの嫌で映画館に行きにくい、という具合になっているのはあると思うんだけどなぁ。
そのうちこっそり投書しておこうかのぅ…。
映画館チケット売り場についただけでひーこら言ってるばーさん。おなか減ったというのでアイスクレープとお茶を買って(ポップコーン好きでね(好きではない)って言うんだもん)(あたりまえだが規定違反のものを持ち込むつもりはさらさらない)いざ館内へ…と、その前にトイレ。
見やすい座席にしますか?と聞いてきてくれるですが、暗い中その中央座席までいくのも、見終わって出るにもゆっくりになるので基本的に出入口付近に席をお願いしますと言っております。割と重要。
しかし、もののみごとにばーさんの好みの映画の予定がしばらくない。
好み映画、というのがまぁ前述したようにタイヘン微妙。
有頂天ホテル 等のコメディは酷評「おもしぇくねけの」(全然おもしろくないね)
ゲゲゲの鬼太郎(実写版) 思っていたよりおもしぇけの(おもしろいね)。
指輪物語 難しいけどおもしぇの。
おくりびと 存外おもしぇけの。
ハリーポッターシリーズ →大好物
ナルニア国物語 →超楽しみ
どーにも系統が絞れない。そんで、帰りご飯を食べながら一つ一つ確認をとるに…
1 外国人映画がよい(日本人俳優の映画がどうにも好きじゃないらしい なんで?)
2 銃よりも剣と魔法(その心意気やよし。おいちゃんと同じ趣味だw)
3 アニメはそんなに好きじゃない CGアニメも同じく
4 恋愛ものより冒険ファンタジーがいい 人間ドラマよくわかんね
という感じらしい。…SFもモノによってはいけるのかもしれない…スターウォーズとか。
血みどろかなと思って敬遠したんだけど、話してみたらベイオウーフとかも全然OKらしかった。300とかも全然オケらしい。なぁんだ、なら一緒に行けばよかった…。
じゃぁミステリはダメなんだ?と、聞くに いや好きだと。
ただ配役が日本人はあんまり…と…うん?なんでそんなに日本人配役ダメなのん!?
しかししばらくばーさんの好みそうな映画は無いのぅ。
ベンジャミン・バトンにちょっと興味をしめしていたがそれは、外人俳優さんだったからダケみたいな気配が…(一応ストーリー説明してみたけど 笑)
チェ はダメぽい。配役の顔で映画を選ぶことになるとは思わなんだ。
という事で以下、K-20について。
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第二次世界大戦が 回避 された仮想の日本。
その設定がまず面白い、撮影は海越えたお隣でやったらしい。
設定は違えど風景と雰囲気的には京極堂シリーズの映画版みたいな。
主役となるのは、上流階級から盗みを働く泥棒、怪人二十面相に『間違えられて』しまったサーカス団の男。
どうしてそうなってしまったのか。華族が存在し、身分制度があり、職業変更が出来ない超・格差社会に渦巻く不満とうっぷん。本物の怪人20面相はドコにいるのか?何が目的か?
しかしぶっちゃけて言えば私は、原作自体は読んでいないもののシナリオについてはおーよその予測が出来てしまっていたので…それについては触れない。
問題なのは見せ方ですとも。
そんなわけで、映画館出た後の感想から言ってしまうと…
「おもしろかったんだけど最後はやりすぎだよね?」
「んだのぅ…でも日本人だけの」
(ばあさん!?なんでそんなにこだわる!?)「でもこれを外国人でやったら……」
RH、すぐに某ビジョンが浮かんで額を抑える。
「…だめだ、これ外人でやったら別の話になっちゃう いや、むしろそのまんまだ」
怪盗ゾロ…な。そしてむしろ、マスクオブゾロそのまんまやんけと気がついた…。
最後の演出が や り す ぎ ☆ 逆の意味でそれが笑えるんですが笑う所じゃないですよね!?
ここをシリアスに〆ればいいのに、コメディかよとツッコミそうになった。
そこだけぶっちゃけナニですが、全体としては意外性をついたり物事の仕掛けの繋げ方はとても綺麗です。キモとなる寄木模様の仕掛け箱。ウチにもあったなぁ。以外と難しいのよね。
あれ、20面体になってなかったか?なんか、最初結納の場を上から見下ろしみれば床が寄木細工模様になってたからこれは…インテリアとしてアリだがあやしいwとか思ってたらその通り。
その後もちょくちょくその場面が出てきて、床に20面体らしい模様が描いてあるしな。こりゃwwww
キーワードで様々なモチーフを持ち寄っては繋ぎ合わせるという演出・仕掛けがこう、比較的分かりやすいとそれだけでカタルシスなのよね。
さて…萌えポイントが最初っから出てきました。テスラ装置wwwwww(萌えどころが激しく違うとか突っ込み不可)
格差社会がどーのこーの、という重いテーマもあるけれど。これは仮想世界にもとずく一端のファンタジー。一端というけど立派な立派な…現実の影を模写するパラレルです。こうした方が現実と結びつけやすいという心理操作も効いております。
そういうのは一応盛り込んであるもののやはり、K-20はエンタテイメントとして見るべきで、単純に世界に酔うべき作品です。現実と見比べるのは一番最後でいい。あと、幻想相手にしなきゃ現実を比較できないっていう悲しい人間のサガはこの際捨てて欲しい。
第二次世界大戦が回避されたらこうなったかもしれない。
怪人20面相が仮想から確実な肉を帯びて誕生した。これはそういう物語でもあるとおもう。
(注・正体不明の怪人20面相の正体が、事実はどうあれ世間的には…という前振りがあり…最終的にその『演目』を主人公は引き受ける事になる。嘘が仮想が、真実に現実になってしまうわけだ)
光と影の道が出来て分岐する手前、交わり合った事により世界は別の層へと変化する兆しを垣間見せた。
(注・よくある話であります。でもこういうお約束嫌いじゃぁないな。私は思わずヒイロ・ユイとリリーナ・ピースフラクト(ガンダム翼)を思い出したよw 想いあってるのに世界が違うから、それよりまずやる事があるからと一緒にならない男と女ね)
…その後彼らはどうなるのか。どうやって世界を変えていくのか。どうすれば世界は変わるか。
それを観客に想像させる余地を与えるのがファンタジー映画の役割だと思う。
何しろ自分で想像し、考えるという事をしたがらない現代人とか言われてる。実際は知りませんがねー。
考えるための道具を自分でそろえようとしない。だから、娯楽映画はその道具をよこしてくれる。
仮想ながらも考えるべき世界を用意してくれる。
いつかその思考術が現実世界をとらえるようになればいいんだと思います。
あるいは、人はそうしたいと願うからこういうファンタジーに惹かれるのかな…とも。
や、おもしろい映画でした。
そろそろ終わっちゃってるトコもあるかもしれません。去年年末から始まってる作品ですし…
や、何とか及第点頂いたようでヨカッタ。
御祖母様…日本人ダメっすか?(笑)
アレはテンポが良い映画だったから娯楽映画としていいかなと。
あ、あのマスクのデザインは田島昭宇だよ。ツボだ。
by ABK (2009-02-05 20:31)
面白かったよ~!日本映画にしては確かに全体的にテンポがよかった感じがします。
へーきち君が『てゆーかこれ、前見えない!』とかぶっちゃけてたけど確かにあれで前見えているのかと 笑
最終的には3~4デザインあったのかな?
田島さんつーと、まれにガンガンでカラーイラスト書き下ろしてたりしますよ。おもにFF~
by rhone (2009-02-05 21:41)