(今では)珍しい果実を頂きました。 [植物の話]
私がグリーンスキーなのはご周知の通り。
森や山の散策も好きだけど、フツーに庭見てるのも飽きない。
隣の庭の様子をのぞき見て、あのラプンツュルが食べたくて食べたくてしょうがないという某童話のおっかさんみたいに…何かとこの実りの秋、実っているものや美しい花に首をのばすのでございます。
ウチの庭は狭くてね、増築したせいなんだけど…。
狭いところに所せましと木やらプランターやらが並んでいます。昔は白樺の小さな杜だった所に私の部屋(離れ)が立ってしまってます。白樺はおかげでもう残ってない。
もともとこの庭の持ち主だったおじいさんは、実のなる木も数多く植えられていたのですが…。
いろいろあって、生き残っているのは梅の木のみ。
昔はアケビや白桃、プラム、葡萄(葡萄酒とか作れるくらい取れました)などなどいろいろあったんだけどなぁ~。
某シオンちゃんをお迎えに行くと、彼女の家のお庭がちょっとうらやましい。
柿があって、栗があって、さくらんぼがあって。果実や花が咲いてるんだもんなぁ。
ウチにもさくらんぼとか植えればよかったのに。
…ちなみに柿は、おっかさんが嫌いなのでウチの食卓にはめったに出ませんw
(弟どもは大好きだったので、奴らが居る時はあったけれども)
さてさて、そんな前ふりが何で必要かなと言いますと…。
人ん家の庭をちら見して興味津津なのね、私。そこん所まずガッテンしてください
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夏の頃かな、三日月さんをお迎えに行きまして…待っている間にわたくし、例によって庭チェックw
そこで不思議なものを見つけてしまった。
黄緑色の俵型の青い果実が…たわわに実っている木見つけたのだ。
見た感じこの果実がですね、ものすごくアケビにそっくりなんですよ。
アケビって俵型の果実が三つくらい、枝に密集して実るんですわ。
でもこれは明らかにアケビではない。そっくりなんだけど…アケビはつる植物であって木植物じゃぁないのだ。葉っぱも明らかに異なっている。
グリーン好きなんだけどこの庭チェック、割と個人のお楽しみでした。
それなりに人一倍の知識はあるはずだと自覚するわたくし、この謎の果実の正体がついにわからなかった。
木の枝から青い果実がにょきッと付いている感じ、このあたりだとあとは…花梨?いや、実の形が明らかに違う。
何だ?コイツは何だ?
そんなわけでついに、不思議さに負けてダメでもともと三日月さんに聞いてみたわけです。
「ごめん、変なところに目ぇつけてわるいんだけど…あれ、何っていう植物か知ってる?」
うん、変なところに目ぇつけてる自覚はある。
そしたら、やっぱり目の付けどころがちょっと違うッつー事でw いやすいません…まったく近い答えを出せなかったんです、初遭遇だったんス。
どうも、ご家族の中では『ポッポ』と呼ばれる果実であるらしい。
うわー?知らねぇ~ww(その時遠出だったんだけどすでに、出発前に別の事でワクテカしてる奴がここに)超気になる~。
東北に住んでいる手前、東北の山の動植物にはそれなりに、識があると自負する私。
ポッポなどと呼ばれるあのような果実に該当するモノがない。
またたび?いや、デカすぎるだろ?
三日月さんの母上どのがグリーンスキーという事で、色々とお詳しいもようです。ものすごいエネルギッシュな植物らしく、いつの間にやら増殖してて困ってるくらいだとか。
よかったら、収穫したのを食べてみますかと言われ是非と!お願いしたのでありました。
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そして秋。ついに謎の果実『ポッポ』が熟したとのご連絡をいただきましてこのたび、
初 体 験 をしたしだいでございますよこれがw
ちなみに私、その後気になってちゃんと調べてました。謎の果実『ポッポ』についての情報は以下の通り。
バンレイシ(番茘枝)科アシミナ属の、北米を原産とする落葉高木。
英名はポポー。和名はあけびがき。ポッポーとかポポとか、色々呼び名はあるようです。
それから、ポポーの中でもいろいろな種類があるようです。
今回頂いたのがどの品種なのかは残念ながらわかりません。
後に書きますが果実の味は南国の気配なんですよね。バンレイシ科と言えばやっぱり自然とマレーシアやタイランドを思い出しちゃうし。
しかし 落葉高木 ですからね。冬になると紅葉して葉が落ちるんです。
そんなわけで、かなり昔に食用ではなく鑑賞用として日本に入ってきた植物なんです。厳しい東北の冬でもびくともしない訳ですからね、全国的に一時期ブームがあったもよう。とはいえかなり昔のお話。
その昔においてはごくごく普遍的なものであったそうです。
ミカンやモモの木の間にこのポポーが植えられたりしていたとか。
東北シェブロン県庄内と言えばッ 梨ですよ!刈谷梨も有名ですがやっぱり、洋ナシ、ラフランスですかね。それから、庄内柿という、渋抜きが必要な平坦で四角い形の柿も名産ですよ~。
田畑も多いんですが、果樹園も結構あるんですね。
多分その、導入されて果実が珍味として流行った頃には、梨木の間に植えられていたりしたのかも。
しかしこの果実、珍味という名に恥じない。今でこそ『若者向け』などと評価されておりますがね~。
昔はちょっと、口に合わない珍しい味だったことは間違いない。
ちなみにバンレイシ科といえばシャカトウ。釈迦頭と書くこの果実、英名シュガーアップルともいわれる通り南国フルーツ(南米ペルー原産)の定番のひとつでとても甘い事で有名です。
バンレイシ科の植物は傷みやすく、扱いが難しいのでなかなか流通には乗らんのです。
タイランドではノイナーと呼ばれてるヤツですなw台湾の名産になってるらしいです、一度食べてみたい果実のひとつ。
チェリモアも同じバンレイシ科だ。
それから、香油の…アロマテラピーでおなじみイランイランというのも同じくバンレイシ科の花から摘出されたものです。イランイランは個人的にはあんまり好きじゃないんですが…理由はよくわかった。
ジャスミン系だからだ 笑(ネロリは好きなんだけどなぁ)
さて、じゃぁテイスティングと行きましょう!
私その日携帯の電池切れを起こしてまして…ナツルさんから画像コピーもらいましたw
ありがとう兄さん!
これが熟したポポー。ちょっと色は悪いけど…傷みやすい果実でこの見た目から、あまり流通には向いていないのかもしれないなぁ。
しかし強烈なにおいです。ええと、悪い匂いではなくて、果実の熟した甘酸っぱいにおい。
昔はこの香気が嫌われた、ともいいます。
ちなみに、食べた部屋には二日目に突入してもひそかにこのにおい、残ってます。個人的には悪くないかな。
どんなにおいかと言いますと…。
いろいろ考えてみた結果、私はこんな感じに。
青りんごの匂い。青りんごと洋ナシの中間みたいな良いにおいです。
ラフランスの香気が堪らなく良いwという人には好かれるかも。逆ならば逆ですな。
不思議ですね、こんなに見た目、アケビっぽいのに。
青いリンゴと洋ナシの匂いがぷぅーんと立つんですもん。
それから、こちらナイフで割ってみた感じ。
見た目サツマイモですよ。でも、種が見えますねw
最近の柿には種が無いのも多いですが(庄内平柿はタネないッス) 柿の種を一回り大きくしたような黒い種が入っています。
果実の色は…あざやかな黄色!プリン色?
やわらかくなったら食べごろという事で、皮は手でむきむきします。
種のまわりより皮の周りの方が甘くておいしい。
皮の向け加減がまた不思議と… サツマイモみたいで面白い。
面倒な私はそのままかぶりついていらない部分をペッ でも良い気もしないでもない。
クリーム質な肉質、と言われますが具体的にどんなんや?と思われるでしょう。
そうですね、バナナのやわい感じです。熟したバナナです。
味もまたバナナのようであり、リンゴのようであり。甘味が強い。で、ちょっとクセがあるかな。
アケビに洋ナシみたいなさわやかな酸味がある感じ。私は結構好きかもなぁw
食べてみないとこれは、わからない味です。評価の分かれるところですな。
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何よりにおいがいいです、大好きですこの匂いw
その後いろいろ調べた結果、栄養価は高くて美容やダイエットにも良いらしいですよ奥さん(笑)
でも年中取れないからなぁ、結構たくさん実るみたいだけど。
果実が熟して落ちないと食べれない、食べるタイミングが命だと言います。青いと苦くて食えたものじゃないとか。
熟すまでとっちゃいけないのか?と思いきや、青い状態で収穫し、熟すまで常温でおいても良いようです。アボカドなどと同じく、冷蔵庫などに入れて成熟を制御できるかもしれませんな。
(でも冷凍庫はたぶんむりだろう。バナナで体験済み)
いやはや、貴重な体験をありがとうです。
小さな苗木も自然と増殖しているらしいので、来年春過ぎに、ウチのお庭に苗をいただくようにちょっとオネガイしちゃったよw ありがとう三日月さんw
植えるなら春から夏らしいですよ。
調べると、苗木は結構流通してるんですね~。
へー、へぇ… いやいや、知らなかったから色々と新鮮な体験でした。
植物は奥が深いぜ…!
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