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科学メモ。 [植物の話]

 植物の行う光合成は太陽光からエネルギー分子「ATP(アデノシン3リン酸)」を作る光化学反応(明反応)と、ATPを使って糖などを合成するカルビン-ベンソン回路(暗反応)がある。
 カルビンサイクルの強化、すなわち糖などをより多く合成させる働きを強化させる反応は多く研究されているらしいが、光化学反応の方は分子が大きすぎるという技術的な困難のお蔭でほとんど研究がなされていなかった。が、どうやら光化学反応の強化に成功したらしく、比例してカルビンサイクルも強化できる。

 …とか。

 ふむ、興味のあるサイエンスなニュースですねぇ、グリーン好きも輪を掛けて、こういうバイオな話題をこっそり創作に組み込むのも好きなので、抑えておかなければいけないニュースです。

 陸上植物が進化の過程で失ったという、電子伝達分子「シトクロム」に着目。

 ん?あぁ、そうか。原始植物にはあるけど陸上植物は退化して効率を落としたって事?シトクロムつーても色々あるし。にわか知識だと間違ってる部分はあるわね、トホホ。ミトコンドリアが持ってるのは植物が持ってる事にはならんのか。ミトコンドリアって外部機関って事?パラサイト・イヴはそういうホラーですし。
 アポトーシスの引き金になるとも言われてなかったっけか?うう、勉強しなおして来い。

 現在の植物は太陽光からATPを作る際、植物に残っている電子伝達物質「プラストシアニン」しか利用していない。

…普遍的な植物の光合成、だね。

 下等植物の「すしのり」が持つシトクロムの遺伝子をシロイヌナズナに導入して電子伝達分子を2種類にすると、通常のものより背丈、重量、葉の面積、根の長さなどが3割程度増えた。光合成の明反応能力を示すATPの量も約2倍になった。

 …当然だけど重要な部分は一般的なニュースでは端折られてるよね。
 これだけ見るとへーすごいじゃん、やったじゃん と関心するだけなんだけど、それがカンタンに出来れば世の中の植物はさっさと巨大化への道を進んでいる。
 もちろん、それが現存生物に及ぼす危険性はこれからじっくり実証してみるらしい。
 あ、そう。どーだかな。

 むぅ、仕方が無いので科学雑誌を買うですよ。

*** ***

『遺伝子組み換えでない』

 という言い回しがある。
 昔食品添加物表示で四苦八苦した覚えのある人間としては…この表記、もっと短くできんもんか?とそりゃ本気で頭を捻ったものだ。
 でも、出来ないのね。出来ないのだ。新しい言葉でも作らない限りこれ以上短くできない。まぁ出来るけどそうすると化学記号とおんなじで、一般の人がその意味を正しく理解できなくなる。

 添加物に正しい事が書いてあるのが一番、消費者にとっては安心できる事ながら。
 遺伝子組み換え製品と、そうでない製品の違いを一般消費者が正しく理解できると思ってるのか?

 なぜ小麦ばっかりそんな事を気にしなきゃいけないのだろうと首を傾げる。
 そこまで神経質になるという事は、それだけ安全性が無いという事か。
 逆に消費者の神経逆撫でしとらんかね…?と思うのだ。

 社会とは何だろう。『遺伝子組み換えでない』などという事を表記するように義務化するのが社会の責任だろうか?違うだろとツッコミたい。
 遺伝子組み換えであろうとなかろうとどっちでもいいのだ。その表記一つで、消費者が安全かどうかを判断できる訳じゃないし。社会がしなきゃいけないのは、その遺伝子組み換えというブランドの安全性の方じゃぁないのかね?
 お米だってお野菜だって、おいしくなるように、沢山作れるように、病気に強くなるように。品種改良されているじゃないの。それと遺伝子組み換えの違いを説明できる人の割合がどんだけー?だと思っていやがる。

 違いの説明をしてみよう。
 悪魔合体(モンスター配合)で説明してやろうじゃないか。

 品種改良と遺伝子組み換えの差は何かというと…

優良配合がリストアップされている攻略本が手元に在るか、無いかであると言える。

 具体的に言えば…攻略本などが無くて、ノーヒントでモンスター爺さんや悪魔合成装置に「君に決めたッ」という具合でコイツとコイツでさぁ、レッツ-ミキシング!…するのが品種改良。
 合成させて得られる結果が見えないのが品種改良だ。その掛け合わせで生まれた新しい生物が、どんな良い点を持っていて、どんな欠点を引き継いだのか、育てて見なけりゃわからない。

 逆に、先に「この最強の悪魔(モンスター)を作るぞ~!」という事で、それに必要な悪魔(モンスター)を用意して意図的に選択して掛け合わせ、はっきりとこの結果になるという合成結果表があるのが遺伝子組み換え。
 狙った結果その通りに出来るのが遺伝子組み換え、と言うのが正しいのかな。
 むしろ、悪魔合成(モンスター配合)というよりは、良い部分を取り込みそこだけを強化する…違法コード改造に近い気もしないでもない。

 あくまで自然の流れに身をゆだねた(?)合成をして最良を目指すのではなく、
 強引に遺伝子を弄くって作っちゃったというのが『遺伝子組み換え』生物。およびそれから取れた作物。

 …個人的には、品種改良も遺伝子組み換えも同じやんけと思っている。
 どっちが危険か?だなんて…何に向けて危険なのかによるだろうけど、人間よりも環境に重きを置くならば、どっちも間違いなく環境を壊すだろ?と思うのです。

 しかし品種改良種や遺伝子組み換え種は、基本的に野に生きる原種よりは圧倒的に弱い。原種を越えてしまう事はめったに無い。というか…
 原種、そして環境っていうのはもっと狡猾で、あっさり上位品種と交配しちゃって混じっちゃうのですね。

 ヒトはそれを危惧する。
 自分らが作ってしまったものが、自然と混じる危険性を危惧する。それは…やっちゃいけないよなぁという恐れを抱くらしい。
 必死に原種を守ろうとするんだけど、生きる環境が無いなら滅ぶのはしゃーないのだと思うんだけどなぁ。

 神でもないのに、創造したり滅ぼしたりしてしまうとは恐れ多い。そういう事だろうか?
 私は『環境に配慮する』というのは奇麗事だと思っていて、何が絶滅しようが何が交雑しようがすべてそのままに受け流す事が本当の自然だと思うのですけどね。人間も自然なんだし。
 自分たちの行動が世界を乱す、などと自覚するのは、まるで自分らは世界を破壊してしまう『自然以外の存在』などと傲慢にも自覚する事の様に感じてしまう。
 だから自分勝手に楽な方に生きて、自然環境を壊すのもお前は放置かというとそういう訳ではないです。
 フツーに生きていればそもそも、自然を破壊する必要なんか無いと思っている。フツーというのはおカネなどを無駄に無用に稼ごうとしないという事ですね。そして時に腹いっぱい食べられない、その他苦しい思いをして生きる事をガマンするという事です。

 そうやって生きていて、自然とのバランスが崩れた先に訪れる数々の脅威。
 ヒトはそれを知恵を絞って回避して来た。死の運命を覆す力が生物というカテゴリーを超えていると思うのもいいけれど…それは私一人の実績ではなく、人間全体の実績だからやはり驕る気分にはなれないのよね~。

 やっぱ人間小せぇよと思う訳で。

*** ***

 で。
 植物の育成を更にアップさせる方法、ってのが開発できそうだ!
 というニュースを見ると…おお、スゲェなぁ と思う反面、以上のような事が頭にちらついてしまって、また一つヒトの都合で世界が弄られ行くのだな…と思うのでした。

 環境に配慮する、その危険性を探ってから実用性に入る…などと最後に結ばれるのはいいけれど。
 そんなの、一々最後に書かなくとも、今の社会性ではそれは必須だろうと鼻で笑ってしまったり。

 陸上植物が進化の過程で失ったという、電子伝達分子「シトクロム」。

 いらない歴史が勝った過程、進化した植物を何故また退化させようというのか。
 そこまでヒトは傲慢に、自分たちの都合の良い作物を作る為に必死なのか…と。

 まぁ、美味しいお野菜には目の無い羊年牡牛座の野菜仙人ですけど。

 などと。ややアンニュイに思う雨の本日。


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コメント 4

ナツル

それ、私も常々疑問に思ってました。
「遺伝子組み換え云々」という表記のうざいこと。
食物のほとんどを輸入に頼っているくせにそういうことにはウルサイのね日本人。
BSEにしろ最近話題の中国産野菜にしろ同じです。
by ナツル (2007-07-11 16:08) 

火橋

なんでこんなのが義務化されてるのか…
調べれば何か最もなお言葉をいただけるのかもしれないけど、なんか調べる気も起きない~。
元パッカーだから何ともいえませんが、マズ何より日本人、包む文化とかあるけど包みすぎ。包装しすぎ。包装過剰です 笑
ラップ業界に踊らされているのか?衛生面で優秀だという側面も、時に日本人から見てもやりすぎ感が漂ってるしね~はふぅ。
by 火橋 (2007-07-12 13:04) 

紫電改

たしか一般の食品は
「遺伝子組み換えでないと表示するかしないかメーカーが選ぶ」
だったかと思います。
でもまあ、書いてないと消費者から文句が来るので
実質みんな書かざるを得ないとか。
ラッピングも結局、「売れる方に進化していった」らそうなったみたいです。

しかし遺伝子組み替え云々をダメ出ししてる割には、
アレな牛肉とかコレな薬とか口にしても
気づかないもんなんですよねえ人間って。

そのうち「人間:遺伝子組み換えでない」なんて表示が義務づけられたりして(汗)
by 紫電改 (2007-07-16 00:31) 

火橋

紫電さん>
元スーパー関係者なので、その『売れる方に進化』ってのが納得です。
 結局消費者誘導の為にハデな事をどっかが始めると、対抗せざる終えなくなってどんどんハデ包装に。

冷シャブはダイスキだけど、誰だこんなマーケティング開発しやがったのは!泣 と、毎年夏に向けた爽やか路線に商品包装を変えろという命令にひーこら言ってました。

 味付け過剰でだまされてるんですよ!
薄味に調理して素材のアジを噛み締めてみるとやっぱり、飼育場抗生剤使ってない豚肉とそーでない豚肉は雲泥の差がありますよ。野菜も同じく。米も同じく。
 ノードレッシング派はかく語りき~。

 しかし、添加物とか警告表示があまり無い方がいいのか。
 偽装されて隠されているのを何も知らんで騙されてる方がしあーせなのか… 苦笑
by 火橋 (2007-07-17 10:37) 

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